
(宗教工芸新聞2014年7月15日号より引用)
夏の花…ひまわりを活ける
夏を代表する花といえば、ひまわりです。
お仏壇に季節の便りを届けるのにもぴったりと言いたいところですが、
好き嫌いの分かれる花でもあり賛否がありそう。
ひまわりが大好きという方の意見を聞いてみると
「丸い形が好き」「青空に似合う」「台風でも倒れない強さがいい」などで
好きでないという方は
「子どもっぽい」「気品がない」「何となく安っぽい感じ」とのことでした。
私もひまわりはあまり好きではありませんでした。
小さいころ体の弱かった私にとってひまわりの健康体が肱し過ぎたことが、今でも忘れられないのです。
また、小学生の時に庭のひまわりを切って学校に持参し
「大きくて重くて、水をたくさん吸うので水換えが大変と、花瓶当番の子に嫌がられた」という思い出を話す友人もいました。
アレンジに使う場合、ひまわりの魅力でもあるシンプルなストレートさが、
ともすると陰影を欠いて平面的になってしまい、私の目指すデザインからは扱いにくいタイプでもあります。
存在感があり過ぎて協調性に乏しいと言ったらひまわりに申し訳ないでしょうか。
でも、ひまわりは実はキク科。
菊といえば仏花の代表ですからお供え花に使わない手はありません。
加えて造花のクオリティーがとても高くなっています。
葉っぱは特有のザラザラ感までリアルに表現され、
花びらのプリーツも繊細で折り重なる様子も自然そのものです。
それでいて種の部分は茶色だったりグリーンだったりと、
造花の良さが生きた最高級品を使ってアレンジしてみました。
唐木仏壇ですと黄色がいっそう映えると思います。
(坂本裕美 アートフラワー作家 カラコレス代表)